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『ごてやん 私を支えた母の教え』稲盛和夫

 稲盛和夫さんのお母さんの話ということであまり興味なかったのだが、たまたま図書館で見つけたので借りてみた。

 

前半は稲盛さんの幼少の頃のことで、そこで稲盛さんの家庭がどんなのだったのかが描かれている。ちなみにタイトルの「ごてやん」とは、素直に言うことを聞かず、わがままを言って相手を困らせる子供のことを指す。

 

後半は稲盛さんを知る上で欠かせない「人として正しいこと」について書かれており、この本の中でも一番学びが多いところ。その元となるのが、中学の頃に病気にかかってしまい、その時に読んだ谷口雅春の『生命の実相』という本。谷口雅春とは「生長の家」の指導者の名前で、本を貸してくれたお隣夫婦が「生長の家」の信者だったことから読むことになったそうだが、病床にいる稲盛さんの心にこの本の内容がかなり響いたようで、
私はこの経験のおかげで、心の有り様が現実になるという心理を学び、そのため善き心を持とうと考え自分の心の奥を見つめる機会につながった。その後も善き心で生き行動しようと強く思ったのである。この時に心に芽生えたものが、その後の京セラの成功、KDDIの成功の原点になるのは間違いない
と綴っている。
しかも、心の有り様を考え直したところで、稲盛さんの病気だけでなく、稲盛さんの母親もこの本を読んで病気が治ったというおまけまで付いている。

 

 

以下はこの本を読んで、心に残った言葉である。

 

すべては、自らの心の有り様と、その心を元にどう行動するか、なのだ。

 

善きことを思い実行することは、運命を好転させるばかりではない。実は、善きことを思い、善きことに努めることを通じて自分の心を磨き、美しくすることは、人生の目的そのものではないかと私は考えている

 

人の心は自分で手入れをしなくてはならないのだ。放っておいたのでは、欲望、怒り、嫉妬、不平不満などの雑草が生い茂るあれ放題の庭になってしまう。かぐわしい花々が咲き誇る庭にするためには、自分の心と常に向き合い、その状態をよく見て手入れをし、優しい思いやりと感謝の種をまいていくことが重要なのだ

 

どんな困難にもくじけず、必死に努力を続けていく。前を向いてたゆまぬ努力を続ける。その力は、必ずや問題を解決し、その人を目標まで押し上げてくれるはずだ。

 

「新しき計画の成就は、只不屈不撓の一心にあり
さらばひたむきに只想え、気高く強く一筋に」(中村天風

 

これからこの国を、この世界を担っていく子供たちに、「思いは実現する」という真理と、「それに向かって突き進む強さ」、「途中であきらめない辛抱強さ」、「誰にも負けない努力」そして何より強く正しい「思い」の大切さをぜひ伝えたい