『居酒屋チェーン戦国史』 中村芳平

 

居酒屋チェーン戦国史 (イースト新書)

 居酒屋チェーンといえば、20代の頃は「養老乃瀧」や「村さ来」「「酔虎伝」「天喜う」などにお世話になり、30代になってからは「和民」や「土間土間」。そして40代の今は居酒屋チェーン店へ行く事が自体が減りましたが、それでも「鳥貴族」や「磯丸水産」などにはたまに行きます。
 
そんな自分が歩んできた時代を、居酒屋チェーンの側面から書かれているのがこの本。
だから読みながら自分が経験してきた事がシンクロしているので、とても面白く読む事ができました。40代の酒好きには面白く、そして懐かしさも感じることのできる1冊です。
 
 
居酒屋チェーンの歴史を簡単に説明すると、60年代からチェーン化を推進した「養老乃瀧」、70年代に登場し、80年代の居酒屋ブームでチェーン化を推進した「村さ来」「つぼ八」。この3つが「旧御三家」となるようです。
 
そして90年代にバブルが崩壊すると、旧御三家はいずれも業績を悪化させ、その代わりに生まれてきたのが、新御三家となると
ワタミ」(和民、坐・和民わたみん家、鳥メロ)
モンテローザ」(白木屋、魚民、笑笑)
コロワイド」(甘太朗、三間堂、いろはにほへと)
と言った多店舗経営型の居酒屋チェーン。
 
ただそれらのお店もリーマンショック後は苦戦しており、次に生まれてきたのが
「鳥貴族」
三光マーケティングフーズ」(東方見聞録、月の雫、金の蔵)
「塚田農場」
「晩杯屋」
と言った、なんでも食材は扱うというのではなく、ある一面に特化したタイプの居酒屋チェーン店。
 
もちろんこの本の中では他にも「天狗」「大庄」と居酒屋チェーンについても書かれています。
 
 
あと、自分が面白いなぁと思ったのが、各居酒屋チェーンが如何にして数ある居酒屋チェーンの中から抜き出た存在になりえたのかという事。
 
養老乃瀧」は直営化のれん分け方式でしか多店舗化する方法がなかった時代に、のれん貸し方式」と称して、アメリカ発祥のフランチャイズチェーン方式とそっくりの方法を開発した事が、多くの店舗を持てるようになった理由だそうです。
 
村さ来」は、創業者の清宮勝一が昔トリスバーでアルバイトしていたことから、ビールか日本酒しかなかった飲みのメニューに「酎ハイ」を開発して広めたこと。
つまり「村さ来」が「酎ハイ」の元祖となるわけです。
 
そして「つぼ八」は創業者の石井誠二のブランド力。
もちろん酎ハイブームに乗じて直接レモンを絞る「生搾りレモンサワー」を開発したり、「ほっけ」を始め北海道の名産を取り入れたメニューの魅力もありますが、やはり「つぼ八」から「ワタミ」の渡邊美樹や、「モンテローザ」の創業者 大神輝博を生みだすだけの魅力ある店舗を作っていたということでしょう。
 
コロワイド」はM&Aを展開し、それらの店を1棟の建物に入れて、レジャービル化させたこと。
 
三光マーケティングフーズ」はサイゼリヤの創業会長の正垣泰彦にアドバイスを受け、自動的にビールを注げるサーバーの導入や、ジェット噴射で素早く調理する「ジェット・オーブン」、店内にはタッチパネルでの注文を導入するなどして、機械化・情報化システムを取り入れたこと。
 
 
 
自分が最初に書いたように最近は居酒屋チェーン店に行く事が減りました。
それはこの本の「あとがき」にも同じような事が書かれていました。
その減った理由としては、
「家飲み」や「宅飲み」と行った節約志向
サイゼリヤ吉野家などの「ちょい飲み」
と言ったことも要因としてあります。
 
ただ居酒屋チェーンはこれまでにも幾多の試練を越え、新しい業態の店が生まれています。
きっとこの先はまた新しい形態の居酒屋チェーンが生まれてくるんでしょうね。
酒飲みとしては非常に楽しみなところです。
 

 

居酒屋チェーン戦国史 (イースト新書)

居酒屋チェーン戦国史 (イースト新書)