金曜日の夜、同僚と飲んでいたら風俗の話になりました。
そして土曜日、久しぶりに図書館で何気なく本棚を眺めていたら「風俗」の文字が目に止まってしまい、興味本位で借りたのがこの本でした。
この本を書かれたのは中村淳彦さんですが、本の中身そのものの話は実際に風俗店を経営されている勅使河原さんによるものなので、非常にリアルな風俗情報を知ることが出来ました。ただこの本の書かれた時期が2015年なので今はもう少し変わっているのかもしれませんね。
この本を読んで初めて知ったのは、風俗嬢と呼ばれる女性たちは風俗店と雇用契約を結んでいる従業員ではなく、あくまで個人事業主として商いをしている人たちが大半であるということです。
これはソープランド を例にすると分かりやすく、ソープランド の料金には「入浴料」と「サービス料」という2つの料金があり、「入浴料」はお店に支払う料金。「サービス料」は女性に渡す料金。つまりお店と女性は別々の会計システムになっています。
これはお店はあくまで個人事業主であるソープ嬢に「風呂場を貸しているだけ」という建前を作るためだそうで、だからこそ風俗嬢は個人事業主なのです。
では、なぜそんな形態になっているのかというと「売春防止法」が関わってきます。
「売春防止法」は男女の性行為そのものを規制する法律ではなく、売春を助長する女衒業者(女性を売る斡旋業者)を規制する法律になっています。
なので、店が風俗嬢を従業員としてしまうと女性を売る斡旋業者として「売春防止法」に触れてしまいますが、風俗嬢が個人事業主であれば性行為があったとしても、それは個人事業主とお客さんとの自由恋愛であり店側としては知りません。というのが通るのです。
次によく聞くのは「風俗嬢は税金を払っていない」という言葉。
これは上記のことが関わってくるのですが、風俗嬢は個人事業主なので店側としては大半が「個人事業主なんだから、そちらでやってね」というスタンスが多いようです。
そうなると風俗嬢が自分で経理処理をして払う必要が出てくるのですが、正直そこまできちんとする人は少ないです。
ではそれに対して税務署は何をやっているんだ! 取り締まらないのか!! ということになりますが、そもそも「売春」という行為を国は認めていません。だから売春で得た「お金」というのは建前上は存在しないことになっています。
そしてもし税務署がその売春で得たお金から税金を取るとなった場合、先ほどの売春防止法が絡んできますが、これを取締るのは警察です。つまり部署をまたいでしまうためなかなか徴収しづらいという点もあるようです。
あとこの本では元国税局の調査員の方のインタビューが掲載されていますが、それによれば男性心理もあるようです。
つまり「風俗嬢ふぜいが大金を儲けてけしからん」とはならない。やはり世の男性が日々お世話になっているんだ、そういう女性がいなければ男は困るんだと。
最後に稼げる風俗嬢と稼げない風俗嬢のことについて書いてみたく思います。
本の中では第4章にこのことが書かれており、風俗嬢の方のインタビューが載っています。
まず間違いなく言えるのが稼げる風俗嬢かどうかは
「容姿」
「性格」
「清潔感」
で決まります。
これは男性なら納得できる部分かと思います(笑)
最初はまず写真とサイズいう「容姿」だけの情報で女の子を決めます。
そして出会って少し会話をしてその子がどんな感じの子なのかという内面(性格)を知ります。
そして行為をするときに(これは風俗嬢側も客に対して思っているでしょうけど)清潔でないと嫌ですよね。
なので店側もこの3つが良い子を採用します。
つまりこの3つが良くないと働く場所も難しいということです。
では「清潔感」は「ある」か「ない」かで判断が付きますし、「容姿」に関してはお客側の好みによるところが多いですが、大別すると「可愛い」「きれい」な子が当然稼げます。
では「性格」に関してはどうでしょうか。
この本に出てくる風俗嬢の話を読む限りでは、
一番はなんといっても明るい性格の子です。
やはり笑顔で迎えれると嬉しいものですし、明るい性格というのは損することはありません。
中にはこんなお客さんを接客したくないと言おうケースもあるでしょうが、そこは明るい性格、ポジティブシンキングの方がそれに耐えられますし、またそれによってお客さんがついてきます。
この本では他にも風俗店の経営は儲かるのかといったことも書かれていますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。