アラフィフからのゼロ・リセット

遂に人生折り返しの50歳になりました。これまで以上に楽しい人生を過ごしていきたいなと願いつつ、自分の趣味のことや、思ったこと、経験したことを書いています。

【読書】『反省記』西和彦

 自分がパソコン業界で働いてこともあり、パソコンの黎明期の話などはジャーナリストの方が書いた本をいくつも読んでいたのですが、今回はその日本のパソコンの黎明期に活躍した西和彦さん自身が書かれた話だけにとても興味深く読ませて頂きました。

 

ちなみに日本のパソコンの夜明け時代を知らない人にとっては著者の「西和彦」って誰?

とお思いでしょうが、この方は当時メディアからは「天才・西と神童・孫」と、ソフトバンク社長の孫正義とライバル関係にあるようなすごい人なんです。

 

で、どんなことをされたかと言うと、

アスキーというパソコン雑誌を作った

マイクロソフトがまだガレージ企業だった頃にマイクロソフトの副社長をやっていた

マイクロソフトのOSを各パソコンメーカーに売り込んだ

マイクロソフトを辞めたあとは、CSKの大川会長の秘書としてセガのゲーム機の開発にも携わったりした

などなど、当時の日本のパソコンにかなりの影響を残した人なんですね。

 

で、何でそんなすごい人が、今は孫さんみたいに表舞台に出てこないんだ?

というと、西さんはとても一途な人で、自分がこうだと思ったら決し譲らない。だから意見がぶつかって喧嘩してしまうことも多く、マイクロソフトビル・ゲイツとも喧嘩別れして辞めてしまったという持ち主。

だから今回本のタイトルも『反省記』にしたそうです。

 

そんな西和彦さんが綴られた中で気になった箇所をピックアップしてみました。

 

自分が自分でつくづく情けなくなる。マイクロソフトで喧嘩して、アスキーでも喧嘩して、まさに喧嘩男のちゃぶ台返しの人生。

 

本書は、僕の「過去」を扱うものだが、僕の視線はあくまでも「未来」に向けられている。「過去」を反省し、「真実」を知り、「未来」に生かす。それが真意だ。 

 

マイクロソフトビル・ゲイツとの創業者)ポール・アレンは、インテル「あ「8080」のマニュアルを研究して、ハーバード大学の大型コンピューターに「アルテア8800」の真似をさせるプログラムを書いた。そして、その大型コンピューターの中で、彼らは、4 キロバイトに収まるプログラムをBASCIで書き上げたのだ。しかも、たった8週間で ・・・。

 

僕は「やりたいことが見つからない」とか、「自分の人生を変えたい」と悩む若者を見ると、いつもこう思う。興味のある場所に行ってみればいいよ。人生はシンプルなんだから、悩んでる時間がもったいないよ、と。 

 

大事だと思うのは、相手のことを尊敬して謙虚にぶつかっていくと言う姿勢だ。貴重な時間を割いて会ってくださるんだから、感謝の気持ちを忘れたらいけないと思う。 

 

パソコンがネットワークされて、対話できるメディアになったときに、初めてパソコンが本格的に普及するのだ。つまりパソコンは、ネットワークされることによって、初めて「パーソナル・コンピューター」になることができる

 

人はだれでも過去に執着しながら生きているのだと思う 

 

「元気」「元の気」と書く。つまり、元気とは、その人が「元々」を持っている「気」のことを言うんじゃないか、と。

 

社長が「もうあかん」と思った時に、会社は潰れるのだ。だから、決して「もうあかん」と思わないことが大事。ほとんどの破産は、社長が「もうダメだ」と思った時に始まるのではないか、

 

「金」の事ばかりで、出発点に「感動」のないプロジェクトが成功などするはずがない。そんなものが、お客様の心に響くはずがないではないか。それは、「ものづくり」に対する冒涜だとすら思う。結局そんなビジネスは失敗する運命にあるのだ。

 

結局、西さんはCSKの大川会長が亡くなられた後はCSKを辞められ、教育分野に入られ今も親がやられていた須磨学園の学園長をされたり、大学で研究、教鞭を取られているそうです。