【読書】『歴史を活かす力』出口治明
「歴史は繰り返される」と言います。
だから歴史をしっかり学べば、今の困り事の解決方法などのヒントがあります。この本では「マネー」「失敗」「リーダー」「大逆転」「女性」「宗教」「戦争」「ライフスタイル」「アメリカ」「日本と世界」と10のテーマに分類し、 一問一答形式で歴史のエッセンスを紹介してくれています。
それにしても驚いたのが著者の博識の高さ。
色々歴史に関する本を出されているのは知っていたのですが、ここまで幅広く歴史上にあった出来事から質問の回答を導き出してくれているのはお見事としか言いようがありません。
しかもその歴史をわかり易く読みやすく書いてくれているので、読んでいて楽しく娯楽物としても読めました。またちょっとした雑学として持っていても損はないと思います。
この本全体を通して一番気になったのが、
グランドデザインをいかに描けるかと言うこと。
つまりいかにビジョンを持って事を成し遂げるかと言う事です。
こんな質問がありました。
「織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の3人を、グローバル基準でどう評価されますか?」
それに対する出口さんの回答は
「 リーダーとしては織田信長が圧倒的に世界に通用する人物だと思います。(中略)「これとあれを組み合わせていけば、天下が取れるで」と言う大きなグランドデザインを描けたところにあります」
他にも 徳川幕府の老中首座だった阿部正弘のことがちょこちょこ出てきます。ちなみに阿部正弘とは「 まずは国を開き、経済的に豊かになってから軍備を増強する」と言うグランドデザインを描いた天才的な政治家だそうで、後に吉田茂が阿部正弘のグランドデザインを新しい形で再スタートさせたりしています。
多分出口さんは大学の学長もされているので、世界に通用できるような人材を育てていきたいという思いがあるのかもしれませんね。