【読書】「富岳 世界4冠スパコンが日本を救う」日本クロステック
コロナ禍において、人が出した飛沫がどういうふうに飛び散っているのか?
という事を「富岳」を使ってシュミレーションした映像データを、新聞やニースなどで見る事があります。
そんなこともあってか、図書館で見つけ気になって借りてみたのがこの本でしたが、これが当たり!!
富岳開発ストーリーや、開発者のコメント。今のスパコン事情や、スパコンの先をいく量子コンピュータについて書かれており、理系不得意な自分でも楽しく読めました。
特に「ヘェ〜」となったのが、実は「富岳」開発には蓮舫議員の「2位じゃだめなんでしょうか」という発言がきっかけになっていると言うこと。
「事業仕分け」の時の蓮舫議員の発言がでたのが2009年11月13日。
その頃ちょうど「富岳」の前に1位をとったスパコン「京」を開発中でした。
なのでこの発言は「京」開発が危ぶまれる事態となりましたが、なんとかそのあと国から予算も取れ「京」は完成し見事世界1位を獲得します。
しかし「1位」は取れたものの、それを活用していくと言う点でうまくいかず、また開発に携わった富士通も商業的には「京」開発で培った技術を生かした製品が、あまり売れませんでした。
以上のようなことがあり、「富岳」開発には一位を取ると言うことではなく、
様々な分野のアプリケーションを最高の性能で動かす事を重視したそうです。
一位を目指して開発することの価値はあるが、それ自体を究極で絶対的な目的にする事はあまり意味がない。それよりもスパコンが実際に使われて、世の中の役に立つことの方が最終的には重要である。 そういう意味ではHPCI によって共同利用に道を開いたことでも「京」には価値があったし、事業仕分けも無意味ではなかった。また、富岳もその反省の上に成り立っていると言える。
富岳がどんだけ素晴らしいスパコンか、そしてスパコンの上をいく量子コンピュータについて学んでみませんか?