アラフィフからのゼロ・リセット

遂に人生折り返しの50歳になりました。これまで以上に楽しい人生を過ごしていきたいなと願いつつ、自分の趣味のことや、思ったこと、経験したことを書いています。

池井戸潤『ノーサイド・ゲーム』を読んでみた

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TBS系で日曜日の午後9時から放送中のドラマ『ノーサイド・ゲーム』の原作を読み終えました。
当初はドラマが終わってから読むつもりでしたが、図書館で借りてきたということで返却期限というものがあるため、ドラマが絶賛放送中の最中に読むことになりました。
 
自分の中ではこれを読んでしまうことでドラマを観ることが面白く無くなってくるのではないかとの心配もあったのですが、その心配は読んでいるうちに消えました
というのもドラマには主人公であるラグビーチーム「アストロズ」のゼネラルマネージャーである君島の家族が出てくるのですが、原作には一切家族は出てきません。
ドラマでは奥さん役の松たか子さんが、意外と印象のある役を演じられていますが、それが今後どう動かれていくのかは、原作にはない設定なので非常に関心深いです。
(他にも原作も面白くて、読まずにはいられないということもありましたが)
 
またドラマが放送中の中読んだことで、ドラマのイメージがそのまま頭の中に反映され読みやすかったですし、まだドラマでは放送されていない内容でも自然とドラマの人物たちが頭の中で動いてくれ、全編を通して非常に読みやすかったです。
 
逆にマイナスとしては結論を知ってしまったことでしょう。
先ほど挙げた主人公の家族がドラマでは出てきているといった幾らかの細かいところの違いはあるかもしれませんが、本筋はやはり原作に沿って作製されているでしょうから、そこは仕方のないところだと思います。
 
 
さて、この本そのものの感想ですが、日本ラグビーにおける現在の問題点を挙げ、そのためにどうすれば良いのかという点が描かれていたのは良かったと思います。
 
ラグビーに関するSNSなどをずっと見ていますが、その中で日本ラグビー協会の問題点を指摘する声が多いです。それがこの本の中でも反映されています。これはラグビーがもっと発展していく上では大切なところで、それを売れっ子作家の池井戸潤さんが書いてくれ、それがドラマとして放送されることでラグビーを知らない人にも知ることとなり、そこから日本ラグビーが変わっていき世間にもっと広まるという効果が生まれることを、いちラグビーファンとして期待したいです。
 
ドラマを見ている人も見ていない人も、ぜひ読んでみてほしい1冊です。
 
 
 
優勝を争うチームと、本当に優勝するチームにはかなりの差がある。
 
彼らが愛しているのはなくラグビーではなく、ラグビー界における自らの地位や権力なのではないか。
だがここには、 それを糾弾する社外取締役も株主もいない。
これこそが日本ラグビー 界の紛れもない現状なのだ。
 一番の被害者は、 選手たちであり、 ファンである。

 

 
練習で10回やって1回でも失敗するプレーは、その一回が本番の時にでる
 
誰もが常に善人でもなく、また悪人でもない。
だから人は変われるし、組織だって変われない事はないと思う。

 

 
今の日本のラグビーは、大企業のをお恵みにすがって何とか生きているに過ぎないスポーツだ。貧乏人が金持ち面して分不相応なことをしている。もっと言うと、アマチュアと言いながら、プロのまね事をして失敗している。しかも、もっとうまい運営方法があるはずなのに、何も努力しない。危機感もなく、怠慢で、しかも倣慢だ。
 
ラグビーに重要なのは、グランドで起きていることを正確に観察し、自分で考え、答えを出す力にほかならない。
 

 

ノーサイド・ゲーム

ノーサイド・ゲーム